2011年2月15日火曜日

5万円切りの小型リビングPC「EeeBox PC EB1501」を試す

 ASUSTeK Computer(ASUS)の小型デスクトップPC「EeeBox」シリーズから、新モデル「EeeBox PC EB1501」が登場した。

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 同シリーズはインターネットアクセスを主目的とした低価格なデスクトップPC、いわゆるNettopの範ちゅうに入る製品だが、初代モデル「EeeBox PC B202」からフルモデルチェンジしており、基本シ
ステムの強化に加えて光学ドライブやHDMI出力を搭載するなど、性能、機能ともに大幅に進化している。さっそく機能や使い勝手をレビューしよう。

 まずは基本スペックだが、CPUはデュアルコアのAtom 330(1.6GHz)だ。CPU基板にAtom 230(1.6GHz)相当のダイを2つ実装しており、TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)も2倍の8ワットとなっている redstone rmt
。もちろん、Hyper-Threadingもサポートする。

 チップセットにNVIDIA ION(GeForce 9400M G)を選択しているのは見逃せない。チップセット内蔵のグラフィックスコアはDirectX 10に対応しており、インテル純正のAtom向けチップセットであるIntel 945GSE Expressより3D描画性能が高く、Windows 7のWindows Aeroなどがより快適に操作できる。また、MPEG-4 リネージュ rmt
AVC/H.264やVC-1などのハードウェアデコード機能を含むHD動画再生支援機能のPure Video HDも備えるため、Atomとの組み合わせでもHD動画をスムーズに再生することが可能だ。

 メインメモリはPC2-6400 SO-DIMMを用いている。容量は標準で2Gバイトとなっており、2基のSO-DIMMスロットに1Gバイトモジュールを2枚装着済みだ。データストレージは容量 rmt dragon nest
250Gバイト、回転速度5400rpmの2.5インチSerial ATA HDDを内蔵する。

 新たに追加された光学ドライブは、スロットインタイプのDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブを前面に配置している。本シリーズの先代機(B202)を含めてNettopと呼ばれる製品は光学ドライブを搭載しない例が多かったが、(光学ドライブを省くことで)小さくて軽くなることの
メリットがあまりない据え置き型では、やはり光学ドライブが内蔵されていたほうが便利には違いない。

●コンパクトボディに豊富なインタフェースを装備

 ボディのサイズは39(幅)×193(奥行き)×193(高さ)ミリ、重量は約1.2キロにおさまっている(スタンドを除いた場合)。容積は約1.5リットルと非常にコンパクトだ。電源ユニットは本体に Lineage rmt
内蔵しておらず、付属のACアダプタで駆動する。

 デザインはブラックとシルバーを基調にしたシンプルな仕上がりで、縦置き用のスタンドへネジを使ってナナメに取り付ける仕組みだ。縦置き状態の底面に吸気口、天面に排気口が用意されている。長期間の運用では排気口からホコリが混入しやすい懸念があるが、空気は暖められると上昇することから、冷
却には効率のよいスタイルといえる。

 横置き用のスタンドやゴム足などは特に用意されないが、横置きでも利用可能だ。また、VESA規格対応のマウンタが標準で付属しており、液晶ディスプレイの裏側などにネジで直接取り付けて利用できる。ただし、液晶ディスプレイのスタンドを装着した状態で背面にVESA規格準拠のネジ穴が露出している製品でなけれ
ば、マウンタは取り付けられないので注意したい。

 通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANと1000BASE-T準拠の有線LANを搭載する。前面にはDVDスーパーマルチドライブのほか、メモリカードスロット(SD/SDHC/MMC/メモリースティック対応)、2基のUSB 2.0ポート、ヘッドフォン、マイクがある。背面の端子もなかなか充実しており、4基のUSB
2.0ポートのほか、eSATAポート、HDMI出力、アナログRGB出力、光デジタル対応の音声出力、無線LANアンテナなどが用意されている。

 ワイヤレスのキーボートとホイール付き光学マウスが標準で付属しており、受信部はマウスの中に収納できる。また、Windows Media Centerの操作に対応した赤外線リモコンも付属しており、離れた位置から操作できる。


●OSはWindows 7 Home Premiumを採用、オーバークロック機能も装備

 OSは32ビット版のWindows 7 Home Premiumをプリインストールしている。Atom N搭載のEee PCシリーズで採用例が多いWindows 7 Starterとは異なり、Aeroの半透明表示やWindows Media Centerなど、Home Premiumならではの豊富な機能が利用可能だ。

 Windows 7を起動する
と、デスクトップ中央に「EeeBar」というランチャーが起動する。ここから後述する独自アプリケーションにアクセスする仕組みだ。標準状態の内容は中途半端だが、表示するアプリケーションは各種設定を行うユーティリティソフト「Eee Manager」でカスタマイズできる。

 「Eee Manager」には、ASUS独自の省電力機能であるSuper Hybrid Engineのメニュー
も用意されている。Super Hybrid Engineの設定は3段階から選べるが、「超高性能」を選ぶとCPUが少しだけオーバークロックし、パフォーマンスの向上が図れる。とはいえ、搭載しているCPUがAtom 330(1.6GHz)ということもあり、オーバークロックしても体感速度がぐんとアップするようなことはない。

●オンラインコンテンツなどを楽しめるソフトが付属


 ASUSではEB1501を「リビングでインターネットを楽しむためのミニPC」として位置付けており、HDMIでテレビに接続してネットコンテンツを楽しむ機能もあるとアピールしている。今回は37型の液晶テレビ(東芝のREGZA 37ZV500)にHDMIで接続してテストしたが、PCの画面表示、音声主力ともに問題なく行なえた。

 付属ソフトの
「Tremendous! TV」は、インターネット上の動画コンテンツへのリンク集だ。テレビ視聴ソフト風の分かりやすいインタフェースでジャンルごとにまとめられており、付属のリモコンを使ってテレビのような感覚で視聴できるが、それぞれのサイトにつながった後はマウスでの操作が必要な場合などもある。

 「Eee@Vibe」は、オンラインコンテンツのポータ
ルサイトのようなものだ。内容を見ると基本的に台湾本国向けのコンテンツのようだが、ゲームなどは一応日本語の解説も付いているし、音楽コンテンツにも洋楽チャンネルや日本の楽曲を含むチャンネルもあってそれなりに楽しめる。

 OS標準のWindows Media Centerとよく似た機能を持つ、いわゆる10フィートUIのマルチメディア統合ソフト「TotalMedia
Center」も備えている。TotalMedia CenterはSimHD機能により、DVDなどのSD解像度の映像をHD解像度(1280×720?1920×1080ドット)相当にアップコンバートして表示することが可能だ。

●性能はまずまず、静音性は優秀

 パフォーマンスを検証するため、各種ベンチマークテストを実施した。Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は右の画面
に示した通りだ。シングルコアAtom搭載のNetbookなどでは1点台の場合もあるが、さすがにデュアルコアAtomだけあって「3.3」と悪くないスコアとなっている。NVIDIA IONを搭載することから、グラフィックス関連のスコアもAtom搭載機としてはよい。

 PCMark05のCPUスコアはシングルコアのCore 2 SoloやCeleronを搭載したCULVノートにも及ばないレベルだ
が、体感での使用感もそのくらいに感じる。Webブラウザを含め、アプリケーションの動作に若干モタつきを感じる場面も少なくない。デュアルコアといってもすべての処理で2つのコアがフルに動作するわけではないので仕方がないところだ。

 一方、グラフィックス性能はインテル製チップセットの内蔵グラフィックス機能より高い。3DMark06やFINAL
FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアを見ても、カジュアルゲームならばそこそこにはプレイできそうだ。

 動作音はアイドル時も負荷時もほとんど変わらない。近い距離ならファンの動作音は聞こえるが、40センチくらい離れると静かな部屋でもほとんど気付かない程度だ。室温24度、暗騒音32デシベルの環境で、本体正面から20センチの距離で計測した騒
音レベルは、システムへの負荷にかかわらず34デシベルだった。

 消費電力をワットチェッカー(Watts Up? PRO)で計測したところ、アイドル時が20.8ワット、低負荷時が25.2ワット、高負荷時(PCMark05実行中のピーク電力)が32.4ワットだった。省スペースデスクトップPCとして、不満がない省電力設計といえる。

●リビングを彩るNettopとして
文句ない仕上がり

 EB1501の標準価格は4万9800円となっており、5万円を切る。初代機のB202が登場したのは1年以上も前のことなので比較には適さないが、性能、機能ともに大幅に上昇しているので、買い得感は増している。

 CPUに非力さを感じる場面がないわけではないが、省電力で静音性が高く、メールやWebブラウジング、動画観賞を楽し
む程度の用途なら十分な性能を持っており、DVDスーパーマルチドライブを装備するなど機能的にも不足がない。気軽にDVD-Videoやインターネットの動画コンテンツを楽しめる小型リビングPCが欲しいユーザーはもちろん、入門者にもおすすめできるNettopといえる。【鈴木雅暢(撮影:矢野渉)】

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引用元:Final Fantasy XIV|14 総合情報サイト

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